2026年3月9日更新
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離婚と子どもをめぐるルールが新しくなります
令和6年5月に成立した民法等改正法により、子どもの利益を確保することを目的として、父母の親権や婚姻関係の有無に関わらず、父母が子どもを養育する責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールが見直されました。
この法律は、令和8年4月1日に施行されます。
主な改正内容は、以下のとおりです。
親の責務に関するルールの明確化
父母が親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを養育する責任を負うことが明確化されました。
(1)子どもの人格の尊重
父母は、親権や婚姻関係に関係なく、子どもが心も体も元気にいられるよう育てる責任があります。その際、子どもの意見をよく聞き、子どもの人格を尊重しなければなりません。
(2)子どもの養育
父母には、親権や婚姻の有無に関わらず、子どもを養う責任があります。「養う」の程度は、子どもが親と同程度の水準の生活を維持するものでなければなりません。
(3)父母間の人格尊重・協力義務
父母は、子どもの利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければなりません。下記のような行為は、この義務に違反する場合があります。
- 【1】父母の一方から他方への暴行・脅迫・暴言など相手を怖がらせるような言動や誹謗中傷、濫訴など
- 【2】別居している親が、同居している親による子どもの世話に不当に干渉すること
- 【3】父母の一方が特段の理由なく、他方に無断で子どもの住む場所を変えること
- 【4】取り決めがされている親子交流の実施を、その一方が特段の理由なく拒むこと
- ※DVや虐待から逃げることは、ルールに違反しません
(4)子どもの利益のための親権行使
親権者は、子どもの面倒をみることや財産の管理をすることなどを、子どもの利益のために行う責任があります。
親権に関するルールの見直し
父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の親権者を父母双方とする「共同親権」とするか、その一方とする「単独親権」とするか定めることができるようになります。
親権者の定め方
協議離婚の場合
父母の協議により、「共同親権」とするか、「単独親権」とするか定めます。
父母の協議が整わない場合や裁判離婚の場合
家庭裁判所が様々な事情を考慮した上で、子どもの利益を考えて、「共同親権」とするか、「単独親権」とするか定めます。
「共同親権」の場合の親権の行使方法のルールが明確化
(1)日常の行為(食事や服装の決定、短期間の観光旅行、予防接種や習い事など)
父母のどちらか一方で決めることができます。
(2)日常の行為ではないこと(子どもの住む場所を変えること、進学先の決定、心身に影響を与える医療行為、子どものお金の管理など)
- 父母双方の共同で親権を行います。
- 父母の一方が親権を行うことができない場合は、他方が行います。
(3)父母の意見が対立する時
家庭裁判所が父又は母の請求により、父母の一方を指定することができます。
(4)子どもの利益のために急迫の事情がある時(DVや虐待からの避難、病気やけがで緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合など)
父母の一方が単独で決めることができます。
父母の離婚後の子どもの監護に関するルールが明確化
- 父母が離婚する時、子どもの監護の分担を定めることができます。
- 離婚後、「共同親権」とした場合であっても、その一方を「監護者」と定めることで、子どもの監護をその一方に定めることができます。
養育費の支払い確保に向けた見直し
(1)養育費の支払いが滞った場合
文書で養育費の取り決めをしていれば、その文書をもって、一方の親の財産の差し押さえの手続きを申し立てることができるようになります。
- ※令和8年4月1日以降に生じる養育費に限る
(2)法定養育費の新設
- 養育費の取り決めがなくても、一定額(一人当たり月額2万円)の法定養育費が請求できるようになります。
※令和8年4月1日以降に離婚したケースのみ適用 - 法定養育費は、あくまでも養育費の取り決めをするまでの暫定的・補充的なものであり、子どもの健やかな成長を支えるためには、各自の収入などを踏まえた適正な養育費の取り決めをすることが重要です。
(3)裁判手続の利便性の向上
- 家庭裁判所は、養育費に関する裁判の手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができることとしています。
- 養育費を請求するための民事執行の手続においては、地方裁判所に対する1回の申立で、財産の開示手続、情報提供、債権差押命令の一連の手続きを申請することができるようになります。
安心・安全な親子交流の実現に向けた見直し
(1)家庭裁判所手続き中の親子交流の試行的実施制度の新設
- 家庭裁判所は、子どもの利益を最優先に考え、家庭裁判所の手続き中に親子交流の試行的実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し、その検討を踏まえ、当事者である父母に親子交流の試行的実施を促します。
- 試行的実施の状況や結果は、父母と家庭裁判所との間で共有され、家庭裁判所は、その結果を踏まえ、調停の成立や審判に向けて、必要に応じてさらに調査や調整を行います。
(2)婚姻中別居の場合の親子交流のルールが明確化
婚姻中別居の場合の親子交流については、子どもの利益を最優先に考え、父母の協議によって決めますが、協議が成立しない場合は、家庭裁判所の審判等により定めることができることが明確化されました。
(3)父母以外の親族と子どもの交流
子どもが父母以外の親族(祖父母、兄弟姉妹等)と交流するかどうかは、父母の協議によって決めますが、祖父母等と子どもとの間に親子関係のような親しい関係があり、父母の離婚後も交流を続けることが子どもにとって望ましい場合など、子どもの利益のために必要がある時は、家庭裁判所は父母以外の親族と子どもとの交流を実施するよう定めることができるようになります。
関連リンク
その他の改正点など詳しくは、下記ホームページの「離婚するとき」の関連項目をご覧ください。
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