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静岡県指定有形文化財(考古資料)にガラス勾玉鎔笵が新規指定されました!

2020年12月18日更新

ガラス勾玉鎔笵(まがたまようはん)

令和2年12月8日付で沼津市の考古資料としては昭和33年以来、62年ぶりに静岡県有形文化財の指定となりました。植出北II(うえだしきたに)遺跡出土のガラス勾玉鎔笵(まがたまようはん)という遺物です。
聞きなれない言葉かもしれませんが、ガラス勾玉鎔范とは、ガラス勾玉を作るための鋳型のことです。勾玉の型に溶けたガラスを流し込んでガラス勾玉を作っていたと考えられます。
弥生時代のガラス勾玉鎔笵は、主に北部九州を中心に、西日本において見つかっており、植出北Ⅱ遺跡から出土したものは、日本列島においては最も東の事例となります。弥生時代に鋳造技術が東日本にも伝播していたことを示す大変貴重な遺物です。
ガラス勾玉鎔笵が出土した植出北Ⅱ遺跡は、愛鷹広域公園と東部運転免許センターとの間にある遺跡です。新東名高速道路建設に伴い、平成14年度から平成17年度にわたり発掘調査を行いました。この周辺は足高尾上遺跡群と呼ばれ、本市内でも有数の遺跡の密集地域です。特に弥生時代後期の住居址が尾根上に所狭しに密集して検出されています。
発掘調査の結果、植出北Ⅱ遺跡も、主に旧石器時代から古墳時代初頭にかけて断続的に営まれた集落遺跡であることが判明し、なかでも弥生時代後期の遺構としては、30軒を超える住居址や尾根・谷を横断する大型の溝状遺構などが見つかっています。そしてガラス勾玉鎔笵は、弥生時代に相当する地層から出土しました。
現在は沼津市文化財センター2階の第1展示室に展示されています。第1展示室では、沼津市内の遺跡のうち、今から約37,000年前の旧石器時代から約1,800年前の弥生時代終末期までの遺跡を紹介しています。今回指定となったガラス勾玉鎔笵以外にも、弥生時代の遺物として植出北II遺跡周辺の遺跡群から出土した弥生土器やガラス小玉なども見ることができます。また本市西部地域の浮島沼周辺で出土した農耕具なども展示しています。今回の指定されたガラス勾玉鎔笵だけでなく、本市に展開した豊かな弥生文化に触れてみてはいかがでしょうか。

  • 上から見た植出北Ⅱ遺跡位置図

    植出北Ⅱ遺跡位置図

  • 上から見た植出北Ⅱ遺跡全景

    植出北Ⅱ遺跡全景

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